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試験にでる英○○シリーズが立て続けに売れた全真相。 [売れた本]

なあるほど、
試験にでる英○○シリーズが、
立て続けに売れていってる理由は
これだったのか。


「試験にでる英単語」 堂々の1位  2010/09/13 13:55


故森一郎氏が日比谷高校の教壇に立っていたころ一冊にまとめたという大学受験生のバイブル的存在『試験にでる英単語』(通称、シケタンあるいはデルタン)が、アマゾンの本のベストセラー全カテゴリー中で堂々のランキング1位に輝いていると知り、少なからず驚きました=下の写真(9月13日時点)。また、楽天ブックスのランキングでも総合で6位につけています(同日時点)。



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懐かしいですね~。累計で1500万部も売れたというほどの名著とあって、筆者も高校生だったころ例外なく利用させていただきましたが、この昭和のベストセラーがなぜ突然売れ出したか?

これはアレでしょうか、「もういちど読む山川日本史・世界史」(山川出版社)が話題になったのと同じような現象なんでしょうかと思いつつ、青春出版社にうかがってみますと、TBS系のがっちりマンデー!!という番組で取り上げられ、いきなり上位入りを果たしたというのが真相のようです。

それだけなら、いわば「瞬間風速」で終わる可能性が大きいのですが、我々のうかがいしれないところで同社は地道なセールス努力を行ってきている点が見逃せません。

同社はこの単語本の読者ターゲットとして大学受験生はもとより、英語をやり直そうという社会人にも拡大。「受験時代に使った単語集なら記憶を呼び戻しながらだから、一から覚えるより効率的だろう」との理由で手を伸ばしてくるはずだと見込み、書店のTOEIC関連や語学関連コーナーなどにも同書を並べてもらうなどプロモーションの工夫もしてきたそうです。

そういう取り組みが底流にあって、いまの「大人買い」を引き起こしている可能性がありそうですね。ん、「大人買い」と言っていいのか?

さて、肝心の中身といえば1975年ごろから不変だとか。「さすがにそれだと内容が古くさいのでは? 」という疑問を同社にぶつけたところ、担当者は「森先生はこれらの単語なしで英文をつくるのは不可能だとおっしゃっており、今でも必要な単語ばかりだと思われます」と、要するに選び抜かれた必須単語には今も昔もないと強調しておられました。なんとも奥が深い話じゃないですか、たいへん納得したところです

なお、関西ではシケタン、関東ではデルタンと言い分けているそうですね。へえ、そうなんだ〜



やっぱりテレビって風を吹かせる力が凄いなあ。
でも、地道にコツコツやってきた青春出版社も偉いなあ。
いちばん偉いのは、やっぱり、森一郎氏です。


こちらの記事を読むとよくわかる。



懐かしい教材(4) 『試験にでる英単語』   2005年06月11日 21時27分59秒


◆『試験にでる英単語』
:森一郎・青春出版社、1967年10月 (CD付きで販売中)

形も価格も手ごろな新書サイズ(現在の版は少し大きめ。)ということもあって、おそらく、日本の英語教材のベストセラーの一つだと思います。とりあげられている単語が約1800語と類書の中では収録単語数が比較的少ないこと、収録単語に例文がついていないこと(それと最近出版された類書に比べればですが、ごく最近まで音源が別売だったこと。2003年1月にCD付き『耳から覚える 試験にでる英単語』版が販売開始。)という致命的な弱点を抱えつつ売れに売れてきた単語集です。流石に、大学受験用単語集のシェア第一位の座は『DUO』(アイシーピー)や『ターゲット』(旺文社)に奪われてしまったとは思いますが、本書『試験にでる英単語』はいまだに根強い人気を誇っています。

何故かくも『試験にでる英単語』はマーケットに支持されてきたのか? これは中途採用で英語教材の編集者を採用面接させていただく際には最適な問いの一つかもしれません。それくらいこの問いは業界では定番の話題であり常識の一つだと思います。

『試験にでる英単語』はなぜベストセラーになったのか? 
当時はまだ珍しかった、接頭辞・語根・接尾辞の語源の紹介を導入した点も(特に、販売当初の頃は)本書の特徴の一つではありました。しかし、『試験にでる英単語』がブレイクした理由は、何と言ってもそれが、それまでの「よく出る単語」ではなく「重要な単語」を収録したことと、著者の超人的な努力によって(当時の)日本の大学入試問題のほとんどをカバーする母集団の中から収録する単語を選んだこと。これ言うは簡単だけれど、パソコンも存在しなかった半世紀近く前にこれを独力でなし遂げられたことは(★)、正に、驚異的な業績です。

★註:コーパース
コンピューターのデータベースを使った単語の頻度決定や個々の単語に何らかの「重要さ」の度合いを表す数値(Value)を与えて分析することは現在ではそう珍しいことではなくなっています。というか現在の辞書編纂の方法論でもある「コーパース」とはこれそのもののことです。よって、『試験にでる英単語』は、現在のコーパースの手法を使った辞書作りの作業と本質的には同じ方法論を使って作成されたと言えると思います。


再度書きます。「コンピューター」なるものが<庶民の辞書>には存在していなかった40年から50年前に、「データベース」と「重要さ」という概念を自力で確立し(これが凄い!)、かつ、これらの概念を使い切ることで膨大な過去の大学入試問題の中から宝物(=試験にでる「重要な」英単語)を手作業で拾い集められたこと(これが偉い!)は、少なくとも<プロジェクト・X>もんの業績ではないでしょうか。パチパチパチ♪



コンピュータがない時代に、
コンピュータがやるようなことを
=英語の傾向分析を、
経験とご自分の感性で一人でやられた。

それは大変なご苦労であったわけで、
当然同じことができる人は数十年間現れなかった。

それどころか、コンピュータの時代になっても
森氏の業績はその素晴らしさがまた見直されている。


いいものは、変わらないのだ。


だからウチの本棚から25年以上も経って
外に出てきたのに、ささこちらへ、
いやいやこちらへ、と引っ張りだこ。


…というのが、私に利益を生んでくれた現象の全真相だったのだ。




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