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中国反日デモと、その裏にあるもの [国際社会]

中国反日デモ 破壊と暴力を容認するな
2012年9月18日 10:42

 日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したことに対し、中国全土で大規模な抗議デモが発生している。

 特にこの週末は激しく、15日には少なくとも57都市、16日も85都市でデモがあった。一部は暴徒化して日系企業を襲い、放火や略奪などの破壊行動に及んだ。

 中国では2005年、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝などをきっかけに反日デモが起きたが、今回はそれを上回る規模で、暴力や破壊の度合いもひどい。1972年の日中国交正常化以来、最大で最悪の反日デモとなった。

 デモは民主主義社会で市民に認められた権利だ。しかし暴力や破壊行動にエスカレートすれば、それは法治国家では認められない犯罪行為である。

 デモ隊は湖南省で日系スーパーに押し入って商品を奪い、山東省では日系企業の工場に乱入し生産ラインを壊した。北京でも日本大使館に突入を図った。

 阻止しようとした警官隊に対し、デモの群衆は「愛国無罪」を叫んだという。「愛国無罪」とは、愛国心が動機なら法を犯しても許される、という意味だ。

 「愛国」の名をかたれば、略奪や愉快犯的な破壊行動さえ許容されるほど、中国の規範意識や倫理観はゆがんでいるのだろうか。怒りと悲しみを覚える。

 中国では北京五輪が開催された2008年にも、パリでの聖火リレー妨害などに反発した大学生らが、フランス系スーパーに対する抗議行動を繰り広げた。

 この騒ぎは先進諸国の間で、中国は警戒すべき異質な国家だとする「中国異質論」が台頭するきっかけになった。今回の反日デモの暴徒化によって、再び国際社会で異質論が高まるのは必至だろう。

 気になるのは、反日デモの開催を容認する中国政府の意図である。

 中国指導部は、日本政府の尖閣国有化に対し、強く抗議し撤回を求めている。国民の反日感情を利用し、デモの勢いを見せつけることで、尖閣問題で日本側に譲歩を迫る戦術なのだろう。

 中国当局は16日になって、デモの制御に本腰を入れる姿勢を見せ始めた。破壊行為の激しさに驚き、デモの批判の矛先が中国政府に向かうのを警戒して、軌道修正を図っているようにも見える。

 日本政府は中国に対し、在留邦人の安全確保と、日系企業の資産保全を強く要求すべきだ。同時に、同種事件の再発を防ぐためにも、略奪や破壊行動に及んだ実行犯の厳正な処罰を求める必要がある。中国政府がこれを確実に実行するよう、国際社会全体で強く促したい。

 中国では、満州事変の発端となった柳条湖事件から81年に当たる18日にも反日デモが呼び掛けられている。歴史問題も絡んで、デモの過激化が懸念される。

 中国はことさら緊張を高める危険な対応をとるべきではない。ここは日中両国の政府が協議し、日中関係がこれ以上悪化しないよう、早急に事態の沈静化を目指すべきである。

=2012/09/18付 西日本新聞朝刊=




外国人の安全を保護する、中国人は理性的になってほしい=中国政府
2012/09/18(火) 08:13

  中国政府・外交部の洪磊報道官は17日の記者会見で、「われわれは法律にもとづき、(中国国内の)外国の機構と人員の安全を保護する」、「中国国民は理性的に、法律にもとづいて、抗議の意を表明してほしい」と述べた。一連の反日デモ・暴動の原因は日本側による「尖閣諸島購入」との主張を繰り返した上で、中国政府の対応について述べた。

■「尖閣諸島」に関する他の記事 - サーチナ・ハイライト

  洪報道官は、尖閣諸島が中国固有の領土とする従来の主張を繰り返した上で、中国各地で発生した反日デモ・暴動の原因は、「日本側による釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の違法な購入」と主張。「日本側は責任を回避したり、覆い隠す態度をとるべきでない」、「日本側が中国側の厳粛な立場を正視できるかどうか、人民の正義の声を正視できるかどうか、正しい態度と行動をとれるかどうかが、事態の発展にかかわってくる」と述べた。

  一方で、「中国は法治国家であり、中国における外国の機構や人員は、法にもとづいて安全を保護する」と説明。破壊行為や暴力行為を阻止することを示唆した。さらに、「中国国民は理性的に、法律にもとづいて、意思を表明してほしい」と述べた。同発言は、自国を法治国家と主張する一方で法にもとづくコントロールができていないことを認めたに等しい。

  広東省広州市内でイタリア領事館の公用車が襲撃されたとされる件については、「関連部門が捜査中」と説明し、改めて「中国政府は一貫して、国際条約が定める義務を履行しおり、外国の在中国領事館機構と人員の安全を保護する」、「われわれは国民に対して、冷静に、理性的に、法に従い、秩序だって訴えを主張してほしいと呼びかけている」と述べた。

**********

◆解説◆
  一般に、領土問題がこじれてしまう原因のひとつに、政府がいったん立場を表明すると、撤回が難しい点がある。撤回すれば、「領有についての正しい主張だったはずなのに、弱腰外交で国益を損ねた」または「それまで国民に対して虚偽の説明をしていた」のいずれかという理屈になり、自国民の大きな反発と政府不信が発生するからだ。

  中国国民のほとんどは、尖閣諸島について「日本が日清戦争の結果、盗み取ったものだ」という自国政府の説明のみを聞かされており、日本側の主張を知る機会はほとんどない。さらに、日本が実効支配を続けていることや、尖閣諸島で2番目の大きさの久場島と3番目の大正島が在日米軍の射爆撃場(いずれも1978年6月以降は使用停止)とされていることも、多くの人は知らない。

  中国政府としては、反日デモ・暴動が従来の主張である「釣魚島は中国のもの」との考えにもとづいている以上、少なくとも早い段階からの、厳しい取り締まりは難しい。しかも中国は、民衆の怒りが自国政府に向けられることを恐れるという、ジレンマを抱えている。政治的な意思表明が大きく制限されているだけに、群衆の批判が政府に向けられることは深刻な事態だ。

  さらに、日本以外の国の「公用車」までもが襲われたとなれば、反日運動は“フーリガン化”したと言わざるをえなくなる。「社会の根底によどむ民衆の不満が爆発すれば何が起こるか分からない」というリスクが国際的に露呈したという点で、中国政府にとって大きな失点になる。(編集担当:如月隼人)



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最後に、この本なんかには、
なんで中国があんなに感情的なのか、
日本はどうすればいいのかなど、
いろいろ書かれてる。(おすすめ)



中国よ、「反日」ありがとう!―これで日本も普通の国になれる

中国よ、「反日」ありがとう!―これで日本も普通の国になれる

  • 作者: 宮崎 正弘
  • 出版社/メーカー: 清流出版
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本







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